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食の新潟国際賞

受賞者紹介

受賞者ご紹介
大賞/中村哲・ペシャワール会・PMS(平和医療団・日本)

【 中村 哲 氏 】ペシャワール会前現地代表 / PMS (平和医療団・日本)総院長
【 村上 優 氏 】ペシャワール会 会長 / PMS 総院長

中村 哲 氏
村上 優 氏

受賞理由:
アフガニスタンの大干ばつと内戦による難民の餓死を救うため、緑の耕作地を蘇らせる用水路を建設し食糧生産と農業復興を進め、農民の定住と飢餓と貧困からの脱却など、多くの功績を残し殉職した中村氏の崇高な活動を讃えて、ペシャワール会の活動の継続を強く支援する。

主な活動・研究について:
【 中村 哲 氏 】
1984年にパキスタンの北西辺境州(現パクトウンクワ州)の州都ペシャワールのミッション病院ハンセン病棟に赴任しました。ペシャワールはアフガニスタン国境にありアフガニスタンからの難民が多く、難民診療のため1986年にジャパン・アフガン・メディカルサービス(のちのPMS)を開設。2000年、アフガニスタンを襲った未曽有の大干ばつ対策として飲料・灌漑用の井戸掘削を開始した。2008年までに1600本の飲料用井戸、13基の灌漑用井戸を掘削した。地下水位の下降が見られ、2003年に大河川のクナール川から取水し用水路の建設を引くことを決定。2010年3月、全長約25㎞(現27㎞)のマルワリード用水路が開通し、活動地近隣の既存用水路の全面的な改修にも着工。2019年末には、16,500ha.の灌漑を可能にし約65万人の生存を保証した。
【 ペシャワール会 】
1983年9月中村哲医師のパキスタンでの医療活動を支援する目的で設立された。のちに医療活動はアフガニスタンへも活動が拡大される。2000年のアフガニスタンの干ばつ被災を受け、中村哲医師(PMS総院長)が展開する井戸掘削、用水路建設、農業事業を医療活動と共に支援を継続する。年4回会報を発行し支援者の方々に現地活動の報告をする。現在、支援者は会員・非会員合計約20,000人。

佐野藤三郎特別賞/大坪 研一 氏
新潟大学自然科学系・フェロー /
新潟薬科大学応用生命科学部・特任教授

受賞理由:
永年にわたるコメの品質・利用研究分野でのコメの①食味評価②DNA品種評価③コメの機能性など多くの研究や加工利用技術分野におけるアジアの第一人者であり、国際研究交流などその普及に大きな功績をあげている。

主な活動・研究について:
農水省食品総合研究所、新潟大学および新潟薬科大学において、40年間、米の品質・利用の研究に従事し、米の多面的理化学評価による食味評価技術を開発し、PCR法による米のDNA品種判別技術の開発、新潟県と協力しての「新潟県産コシヒカリ」と他県産コシヒカリの判別キットの開発、米飯や日本酒などの米加工品の原料米判別技術を開発した。また、発芽玄米、膨化玄米など、健康機能も兼備した新規米加工食品を開発し、これらの研究成果は、283報の学術論文として掲載され、査定特許も24件に上る。また、海外の研究所との共同研究や海外研修生の受け入れなど国際的にも活動してきた。さらに、新潟大学産学地域連携推進センター長を務めて新潟の各地域との産学連携事業を推進したほか、県産新品種「新之助」の食味特性の評価、米粉の用途開発や、新潟市食文化創造都市推進会議、食の新潟国際賞財団など、さまざまな分野で、新潟地域の発展に貢献してきた。

21世紀希望賞/矢野 裕之 氏
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
食品研究部門 食品加工流通研究領域 食品素材開発ユニット・ユニット長

受賞理由:
米粉パンの製造技術を開発し、一般消費者の米粉・ホームベーカリー機器を実用化し、国内外に広く普及させた。この技術は小麦アレルギー持つ人たちにも恩恵を与え、SDGs「すべての人に健康と福祉」の目標にも貢献する。

主な活動・研究について:
SDGsのひとつ「すべての人に健康と福祉を」という観点から、新しい食品の開発に取り組んでいる。世の中の役に立つ食品を製造するための基盤技術を開発して特許を出願し、これを食品製造企業に実施許諾して製品化することを目指している。農業・食品分野での科学技術イノベーションに貢献したい。

地域未来賞/江川 和徳 氏
江川技術士事務所(農業部門) 所長 /
元新潟県農業総合研究所 食品研究センター長

受賞理由:
新潟県の食品加工技術の向上と加工食品の開発と製品化の第一人者である。
特にコメ加工食品の低たんぱく質米飯や無菌化包装、餅やトレイ炊飯などの包装米飯の開発を全国一のレベルと規模に押し上げた功績は大きい。

主な活動・研究について:
新潟農業総合研究所 食品研究センター長として、特にコメ加工食品工場の排水処理技術の研究と技術開発を行うとともに、コメ加工食品の無菌化包装、餅やトレイ炊飯による包装米飯の開発を業界との共同で行い、新潟県での官の研究・民の生産で実績を上げた。退官後も江川技術士事務所(農業部門)開設し、県内食品関係企業の技術や開発相談に対応しつつ、新潟県食品技術研究会会長や新潟県食料産業クラスター協議会事務局、6次化プランナーなどの講師やアドバイザーとして多角的に活動し、県内食品企業や農業の将来を見越して知見集積すべき技術を紹介や技術指導を行っている。具体的な分野は、新規米加工品の開発および冷凍流通技術の開発課題で米粉製造、製パン、製麺、米麺の開発、粉みその開発成果、冷凍、解凍、保管調理、などの技術指導である。これら活動と研究の原点は、新潟県食品研究センター元所長・斎藤昭三氏(故人)が志した「新潟アグロインダストリーランド」の構想にある。

第6回選考委員会
唐木 英明 公益財団法人食の安全・安心財団 理事長
東京大学 名誉教授
赤阪 清隆 公益財団法人フォーリンプレスセンター 理事長
石井 勇人 一般社団法人共同通信社 取締役
今野 正義 日本食料新聞社 代表取締役会長CEO
西澤 直子 石川県立大学 学長
清水  誠 東京大学 名誉教授
生源寺 眞一 福島大学 食農学類 教授
土田 豊樹 新潟県農業総合研究所 食品研究センター長
伊藤 忠雄 新潟大学 名誉教授

(敬称略、ご経歴は選考当時のものです)