受賞者紹介
受賞者ご紹介
本賞/岩永 勝 氏(いわなが まさる)
国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター(JIRCAS) 理事長 /
国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT) 元所長 (日本)
生物資源の保存活用研究に従事し多くの業績を上げ国際的に高い評価を受けている。
海外国際農業研究機関で30年近く活躍した。特に2002年には「緑の革命」の功績によりノーベル平和賞を受賞した国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT /メキシコ)の所長に国際公募で選ばれ、財政難の組織を再建し、長期研究戦略を設定、職員数800人を超える世界で最も優秀な国際研究機関へと飛躍させた実績は世界的に高い評価を得た。
長きにわたる国際的な研究活動での広汎な人脈を培い、世界的に影響力を持つ農学研究者及び指導者として、2006年には世界食糧賞から特別感謝状を受賞。国連世界食料安全保障委員会のパネラーなど国際機関や国際会議において理事に就任するなど重責を果たしている。(65歳)
佐野藤三郎特別賞/増本 隆夫 氏(ますもと たかお)
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(NARO) 農村工学研究部門 地域資源工学研究領域 領域長 (日本)
高度な国際協力の達成に寄与。
低平地帯の排水改良、排水問題を検討し排水施設の最適規模研究では、雨量計や排水施設の配置、規模計画手法を開発し、現場での計画管理に直結する技術開発に多数研究実績をあげ、水田の洪水防止機能評価法の開発でも、先駆的で高度の研究業績をあげた。
アジアモンスーン水田地帯にも対象を広げ、国際河川メコン河の研究では、4研究機関を率いるリーダーとして、世界的情報発信が可能な研究成果体制の構築を図り、行政の事業実施指針・計画基準に反映させ、高く評価された。(58歳)
佐野藤三郎特別賞/マーシー・ニコル・ワイルダー 氏
国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター(JIRCAS)
水産領域 主任研究員(アメリカ)
エビ類の研究により、稚エビの培養方法で多大な成果を上げ、学会産業界で高い評価を得る。ベトナムの国際プロジェクトの主担当者として、淡水エビの養殖産業の発展に貢献。屋内型エビ生産システムの開発と普及による安全安心な養殖の実現をした。
世界のエビ養殖の8割を占めるバナメイエビの、養殖場の造成による環境汚染、高密度養殖による病害、大量薬物投与などの解消に、屋内型エビ生産システムを企業と共同開発した。この技術で、妙高市「妙高ゆきエビ」を商業ベースに乗せ、モンゴルでも養殖を開始。将来多くの発展途上国において、動物性タンパク質の増産安定供給が期待できる。(50歳)
21世紀希望賞/宇賀 優作 氏(うが ゆうさく)
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(NARO) 次世代作物開発研究センター 基盤研究領域 育種素材開発ユニット 上級研究員(日本)
一貫してイネの根の構造と機能に関する遺伝育種学的研究を展開し、基礎から応用に至るまでの研究に多くの成果をあげ、国際誌に論文を掲載し、高い評価を得ている。
地球温暖化が一層深刻化する中、干ばつによる大きな影響を受け、東南アジアでの稲作の乾燥耐性強化は喫緊の課題である。フィリピン在来品種に見いだした根の形態や構造の変異に着目し、遺伝子座を検出し、栽培稲の耐干性の向上に大きく貢献した。
研究業績は基礎研究にとどまらず世界の稲作の安定化に貢献し今後の研究の進展が期待される。(41歳)
「第4回食の新潟国際賞」受賞者の決定にあたって
理事長 池田 弘
「食の新潟国際賞」は貧困や飢餓、食糧生産、供給など世界の食の課題に挑み、顕著な業績を納められた個人や団体に対し2年に1回顕彰する、日本国内では食分野では唯一の国際賞でございます。
この国際賞は新潟県内の食品を中心とする産学官民の有志が結集し、その篤志により創設・運営され、2010年に第1回国際賞の表彰式が開催されました。
国際賞には世界各国から多くの推薦応募をいただきました、御推薦・御応募をいただきました皆様にこの場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
そして唐木選考委員長の下、10名の選考委員の方から最終的な受賞候補者を推薦いただき、財団理事会において4名の受賞者を決定させていただきました。
今回受賞された皆様の活動はまさに食の新潟国際賞の創設目的にふさわしい受賞であり、皆様のご功績に改めて敬意を表するとともに受賞された4名の皆様に心からお祝いを申し上げます。
今後も私たち新潟が、世界の多くの人々との連携と協力のもと、先人の志を継ぎ、新潟の財産である食を通じて世界に貢献したいという強い願いがこの食の新潟国際賞を通じて世界に発信されますことを心から願っております。
「第4回食の新潟国際賞」受賞候補者の選考について
選考委員長 唐木英明
今回は食の新潟国際賞第4回目ということでございますが、今回は過去3回に負けず、あるいはそれよりも素晴らしい受賞者の方々を選考できたことを大変嬉しく思っております。
選考の仕方につきましては、まず候補者を募る期間が昨年(2015年)の8月から12月まで募集をいたしました。その結果、日本を含む世界8カ国から非常に多数の候補者が寄せられました。
その候補者を今年の1月から2月にかけまして選考委員が書類選考をいたしまして、5月に選考委員会を開催して候補者を決定いたしました。
選考委員会の役割というのは一つの賞に対して複数の候補者を選考するところで、その結果を6月に行われた理事会で複数の候補者の中から1人あるいは2人の受賞者を決定するという仕組みになっております。
選考委員会
唐木 英明 |
公益財団法人食の安全・安心財団 理事長 東京大学 名誉教授 |
赤阪 清隆 |
公益財団法人フォーリンプレスセンター 理事長 |
石井 勇人 |
一般社団法人共同通信社 編集委員室 次長 農政ジャーナリストの会 会長 |
今野 正義 |
日本食料新聞社 代表取締役会長CEO |
柴田 明夫 |
株式会社資源・食料問題研究所 代表取締役 |
生源寺 眞一 |
名古屋大学大学院生命農学研究科 教授 |
西澤 直子 |
石川県立大学 生物資源工学研究所 教授 東京大学 名誉教授 |
引野 肇 |
日本科学技術ジャーナリスト会議事務局長 中日新聞社 東京本社編集委員 |
平山 征夫 |
新潟国際情報大学 学長 |
デイビット.C.ミラー |
米国大使館 農務部 農務担当公使 |
|