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世界の食の現状

世界が抱える食の問題に向き合い、命の尊厳を守る。
それが、私たちの願いです。

命を紡ぐ食。国際社会は、食を通じ2つの危機に直面しています。
1. 食料の確保の危機
   —飢餓人口9億2500万人が世界の現状

 一つは、「発展途上国における食料不足」の問題です。発展途上国の飢餓人口(2010年9月FAO※予測)は世界人口およそ69億人中9億2500万人を超える見込みです。

 異常気象が起き農産物の需給バランスがひとたび崩れると、世界各国で食料価格が高騰し、食料の確保が難しくなる国々が増加します。特に、発展途上国にお いては、国の経済の力によって食料が国外に流れ、自国に回らないという状況が生まれるなど、地球上で食料の偏在が起きています。各国(地域)の農業生産力 が落ちることにより、食生活の多くを外国に依存している私たちの食料の確保は、きわめて厳しいことになります。
※FAO:国際連合食糧農業機関

2. 安心・安全の食、食による健康の危機
  —食生活の変化によって生活習慣病や慢性疾患が増加

 もう一つは、地球規模での安全な食料の流通であり、健康被害の増加です。また、先進国においては生活様式の変化と併せ生活習慣病が増加し、高齢化とともに介護問題や医療費負担の増大、生活上での健康に対する不安が増大しています。

 今日、老化による脳機能の低下や血糖値の上昇、体脂肪の蓄積や高血圧症に対しても食品の抑制機能の解明が進められるようになり、食品の機能性や安全性に関する研究への期待が大きくなっています。私たちの活動は、このような研究を応援し福祉の向上につなげます。

3. 行動を支えるマンパワー
  —食に関する教育の充実

 食の重要性を国民の共通認識とする教育や、学校における食・農教育の開発・普及活動や指導者育成プログラムの充実等が重要です。

 また、農林水産業分野の協力技術については、プロジェクト終了後のフォローアップの重要性が指摘され、援助対象国の中長期的な制度構築の中で、移転した 技術ノウハウが根付き、生産向上が成果を上げるような対応策が求められます。このためには、技術を継承するための教育システムが必要となります。多くの人 たちが力を合わせて豊かな生活ができるよう願っています。