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食の新潟国際賞

受賞者メッセージ

受賞の言葉(全文)
本賞: モンティ・パトリック・ジョーンズ氏
アフリカ農業研究フォーラム事務局長

 古泉理事長はじめ、篠田市長、唐木選考委員長また関係者の皆々様、食の新潟国際賞受賞にあたり、心より感謝申し上げます。この受賞は、わが大陸での飢餓をなくそうと日々戦っている何千人ものアフリカの研究者たちの勇気と努力に対して評価を頂いたのだと認識しております。その闘いの中で、いくつか成果はあげておりますが、いまだ3億人以上のアフリカ人が、飢えに苦しみながら朝目覚め、夜眠りにつくという状況ですから、まだ飢餓との戦いに勝利したとは言えません。

 世界で2つ目の食の国際賞制度として2009年3月に設立された食の新潟国際賞財団から、このような賞をいただき大変光栄に思っております。まだ設立されて間もないということでありますが、財団は私の専門である農業を含め様々な分野において、研究、研修、企業間の開発促進においてリーダーシップを発揮されております。世界の食糧供給の定量的そして定性的進歩を図りながら、飢餓や貧困を減らすために戦っている人々を評価してくださる財団を私は高く賞賛いたします。

 この賞を今受け取りながら、多くの人々が「この人は一体何をしてこのような賞を得たのだろうか」と思っていらっしゃるかと私は感じました。私は幸運にも自分のキャリアにおいて優れた研究管理者、研究者、行政官またサポートスタッフに恵まれてきました。彼らの存在なしではNERICAの開発は成功しませんでしたし、そのおかげで2004年に世界食糧賞を受賞させていただきました。

 また、私は世界中の素晴らしい協力者の方々にも恵まれて参りました。特にNERICA栽培に初めて投資や労働を捧げてくれた小自作農家の人々に感謝しております。彼らが新品種を採用するリスクを受け入れてくれたこと、また彼らの苗の選別のフィードバックがなければNERICAの物語は変わっていたかもしれません。アフリカ中の米生産を大きく変える品種となるのではなく、アフリカ米センターの棚に眠っている品種に止まっていたかも知れません。

 更に私のこれまでの成果に陰で貢献してくれている家族に感謝しております。特に私の妻ジェラルディン、子どもたちが犠牲になって私をサポートしてくれたことに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 世界食糧賞をいただいたことで、FARAアフリカ農業研究フォーラムの事務局長という大きな責任を仰せつかり、アフリカの農業イノベーションの可能性を強化する努力をしております。またGFAR農業研究グローバルフォーラムの議長としてグローバル農業開発システムの展開を評価するイニシアティブに取り組んでおります。

 食の新潟国際賞が私の農業革新の成果に対し、評価をくださったことがアフリカ及び世界中の学生や若い研究者たちに刺激を与え、今後有力なチームを組んで素晴らしい事を達成していってくれること、そしてアフリカやアジアの農業をより進歩させていく意義を信じ続け、飢餓との戦いに勝利していくことを願っております。

 このような名誉ある賞を頂き、また新潟市という美しい街に私と妻をお招きいただき本当にありがとうございました。食の新潟国際賞財団はじめ皆様の更なるご活躍とご成功をお祈り申し上げます。ありがとうございました。

佐野藤三郎特別賞: 袁 隆平氏
中国国家雑交水稲作業技術センター主任
代読:袁定陽博士(同上研究員、袁氏ご子息)

 この度は第一回食の新潟国際賞を受賞できましたことを非常に光栄に思っております。選考委員の皆様がハイブリッド米の普及による収穫量増加及び私個人がハイブリッド米の研究に取り組んできたことを高く評価してくださったことに深く感謝を申し上げます。

 ハイブリッド米の成功は、稲の育種における偉大な進展であり、米の収穫量を高めることが出来ました。中国だけでなく、世界各国からの栽培実績からも、その顕著な増産が認められております。ハイブリッド米の世界規模での普及は、食糧の安全保障及び世界平和の促進に大きく貢献できると思います。また、ハイブリッド米の成功は、中国政府による強力なサポート及び農業に力を注いできた科学技術者達と共に努力してきた結果であり、私本人は率先してきただけです。この賞は私にとって、大きな励みとなり、今後も精進していきたいと思います。科学には国境はありません。ハイブリッド技術は中国だけのものではありません。全世界のものです。また、人々の豊かな生活のために私どもは今後もハイブリッド米を全世界、特に発展途上国での普及に最善の努力を尽くして参りたいと思います。ハイブリッド米が人類の為により大きな貢献ができることを祈念いたしまして、私のごあいさつといたします。どうもありがとうございました。

21世紀希望賞: 藤森 文啓氏
東京家政大学家政学部環境教育学科准教授

 この度は、栄えある第一回食の新潟国際賞をいただき本当にありがとうございます。また、この場をお借りして、古泉理事長や選考委員長をしていただきました唐木先生、関係各位の方々に御礼申し上げます。また、本日この場に足を運んでいただいた皆様に御礼申し上げます。

 食の今後の50年先、100年先のことを考えますと、今できる研究成果を基礎研究だけで終わらせるだけでなく、いかに応用研究という形で展開していくかが重要だと考えます。そういう意味で、研究を展開していく「活力」という点でこの受賞にはモチベーションをあげていただきました。今後、これをバネに研究員共々精進していきたいと思っています。本当にありがとうございました。