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タイ北部「黄金の三角地帯」での
果樹植樹ボランティア

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第7号 2011/02/01より (PDF/800KB)

タイ北部「黄金の三角地帯」での果樹植樹ボランティア
梅林 正直 (三重大学 名誉教授)


  20年前までケシ栽培が盛んに行われていたタイ北部の山岳民族村で、麻薬栽培厳禁のあと梅やタイのライム「マナオ」などの実のなる果樹を植えるボランティア活動を一人で始めてから16年になる。
 梅は花芽がつくのに必要な低温(5℃以下、1週間~10日)が確保される標高1,500メートル以上のところに植え始めた。マナオの方は標高が低くても大丈夫なので、梅に適さないところに12年前から植えてきた。
 ボランティアの原点は、「自分で働いて得た資金を用い、頭と身体を使って現地に赴き、汗をかいてハタラク(ハタの者をラクにする)こと!」という信念を持って、継続は力なりと活動している。 「ケシをケシに来たケシからん奴はケシてしまえ!」と考えている麻薬マフィアの危険に対して細心の注意を払いながら、タイ北部6県40数か村に梅は2万2千本、マナオは1万8千本の苗を寄 贈・植樹してきた。
 毎年3か月ずつ2回タイを訪れ、年間150万円(苗購入運搬費・往復旅費・住居生活費各50万円)の自己資金総額2千万円を注いできた。
 そもそも最初にタイを訪れたのは31年前で、それ以来訪タイは77回目になり、在タイ中の平成22年8月11日には丁度目出度く77歳の喜寿を迎えた。31年間になんと77回ということは、年に2~3回の割合になり、滞在期間は通算14年余りに達し、よく飽きもせずに頑張れたものと感慨無量である。

 一つの国に77回も訪れて延べ14年間も滞在できた訳は、3つのF:Food, Fruit, Friendship ―タイめし、熱タイの果物、タイでのつきあい―に集約される。
 タイ料理の甘・辛・酸・塩・香・美味の調和に加えて、どんな材料でも客の望むものをすぐ作ってくれる食の自由度はまったく世界一なのだ。最近は日本の若い女性にタイめし愛好者が激増している。
 今年平成22年6月16日の夕方チェンマイに到着。毎年7月7日前後に行ってきた「チェンマイ七夕植樹祭ツアー」が第10回目を迎え、その準備を行った。
 7月3日(日)朝、ホテル集合。バンコク・チェンマイ在住の日本人9名に、日本からのツアー参加者16名を加えた日本人計25名と、タイライオンズ23名を加えた総勢48名で、チェンマイ北の郊外90キロメートルのクアンパーク寺院学園・村へ、マナオの苗1,077本を寄贈・植樹した。七夕飾りも英語・タイ語・日本語で書かれた短冊も見事に作り上げられ、日本語の七夕さまの歌、タイ語の象さんの歌も皆で合唱した。参加者の旅行記や感想が「おどろきタイTalk」のホームページに掲載されているので、ご覧頂きたい。

 これまでに、平成12年(西暦2000年)にはタイ国友好賞を、平成20年には日本国外務大臣表彰、三重大学学長特別表彰第1号を受賞した。


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