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現在最も普及率の高い食育は
「弁当の日」です。

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第2号 2010/02/01より (PDF/717KB)

「食育のいま」
評議員 坂本 元子 (和洋女子大学 学長)


 平成17年に制定された食育基本法の施行からはや4年を経過しました。国が目指している推進基本計画の作成、実施状況も順調に進んでいます。推進計画・実施は各都道府県では100%の実施ですが、市町村レベルでは目標値の半分の50%に止まっています。

 食育推進計画の内容は幅広く、単に人の健康を対象とした食品摂取や疾病の予防だけにとどまらず、農村と都市の交流、地産地消、食の安全と信頼、食文化の継承、食物の廃棄など幅広い範囲で、啓発活動がすすめられています。

 最初の頃は日常の食生活に関する悩みや不安、家族の健康と栄養のバランスなどに興味が集中していましたが、現在では、食品の安全性への興味が高く、地域の産物の摂取や旬の食材、郷土料理の学習、食べ残しやごみを減らすことに興味を持っている人達が80%にも達するほど食への理解が高まっています。最近の食育の傾向は、学校を始めとして教育ファームを活用した食農教育へ向かっています。特に学習指導要領の中に食育が入れられて以来、生徒の農業体験やそれによって収穫された食糧の調理・加工の学習、学校給食への活用など、農業への親しみや、好き嫌いの矯正、生物の生命をもらって人が生存するといった道徳教育への授業展開等も行われています。

 現在最も普及率の高い食育は、「弁当の日」です。ある小学校の校長先生の発案で5年生に一年に一日だけ、自分で弁当を作るという行事をはじめられました。その効果は多くの学校へ普及し、いまや全国レベルの小・中・高校、大学でも実施されており、会社でも「ぼく弁」を作る人が出ているようです。弁当を作るという行動で、食を通して学ぶ内容が深くまた広く子ども達に多くのことを学ばせるようです。


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