サイトマップ English

新着情報

21/05/28

食の新潟国際賞 佐野藤三郎特別賞受賞者
袁 隆平(えん・りゅうへい)氏逝去

訃報

第1回 食の新潟国際賞 佐野藤三郎特別賞受賞者
袁 隆平(えん・りゅうへい)氏逝去(元 中国国家雑交水稲作業技術センター 主任:中国)


去る5月22日、中国湖南省長沙市で90歳で逝去されました。
袁 隆平氏は2010年10月に開催された「第1回食の新潟国際賞」において「佐野藤三郎特別賞」を受賞された、中国を代表する農業研究者です。
袁氏は異種交配による品種改良でハイブリット米の育種に成功した世界の第1人者です。
袁氏は飢えに苦しむ人々を目のあたりにし、水稲こそが人々の命を救う食糧だと考え、国家のキープロジェクトを指導し1995年にハイブリット米の理論と技術開発に成功しました。
袁氏の開発したハイブリット米はコメの収穫量を3倍に増やし、人口増による飢餓から中国人民を救った「ハイブリット米の父」と呼ばれ中国国民から尊敬されてきました。
袁氏は農業のノーベル賞といわれる「世界食糧賞」、中国の国家の最高栄誉として贈られる共和国勲章を受章しています。
食の新潟国際賞財団は袁 隆平氏のこれまでのご功績を讃え、ご逝去を悼み、袁氏のご子息 袁 定阳氏並びに中華人民共和国 在新潟総領事館 総領事 孫大剛氏あてに弔意の書簡を送付いたしました。
ここに謹んで袁 隆平先生のご冥福をお祈り申し上げます。


佐野藤三郎特別賞:袁 隆平 氏( Prof. Yuan Long Ping )国家雑交水稲作業技術センター 主任:中国

袁隆平氏は、異種交配による品種改良でハイブリット米を育成した世界の第一人者であり、開発したハイブリット米は、人口増加による食糧需要の増加と、都市化・砂漠化等による耕地減少に伴う食糧供給の減少などを要因とする「世界の食糧問題」を大幅に改善するものとなった。
袁氏は、飢えに苦しむ人々を目の当たりにし、水稲こそが人々の命を救う食糧だと考え、国家のキープロジェクトを指導し1995年に新たなハイブリッド米の理論と技術の開発に成功した。
袁氏は、中国国内だけでなく国際稲研究所(IRRI)や国連食糧農業機関(FAO)を通じて、多くの国々や国際機関に対してハイブリット米を指導し、アジア各国の2000人以上の研究者を育成し、食の安全保障の面でも世界に貢献している。

【略 歴】
1930年北京市生。1953年西南農業大学卒業後、湖南省安江農業校の植物遺伝育種学の教師として新品種研究に従事。1964年にハイブリット米の研究に着手。1976年には商業生産用のハイブリット種米を出荷。「ハイブリット米の父」と尊敬される業績の土台を形成した。
1996年に始まった中国農業省のスーパーライス交配計画でも主導的な役割を果たし、2012年までの第三次目標達成を指導している。
湖南農業大学・金華大学・武漢大学各教授。香港大学名誉教授。湖南農業学会会長他所属学会多数。2006年には中国農業分野で初のアメリカ科学アカデミー会員に選出された。
世界食糧賞(2004年)、金の鎌賞(2004年)、ウルフ賞(2004年)、「世界に影響を与えた華人終身業績賞(2008年)、一等農業褒章(2010年)など、1981年以後世界から21の賞を授与されている。
(※情報は全て受賞当時のものです)